毎朝、私はお線香を炊いています。
息子のお骨の前で小さな火を灯し、煙のゆらぎを眺める。そんな一日の始まり。
短い時間だけど、お空で遊んでいるあなたと、今日を生きる私とをつなぐ、小さな儀式。
「おはよう」と声をかけて、写真に向かって話しかけることが私の一日のスタートです。
おはようで始まる朝の時間
「おはよう、今日もいいお天気だよー」
朝一番にそう声をかけるだけで、あなたを思い出し、ちょっと落ち着きます。
まだ寝ぼけた顔でぼんやりしながら、お線香を立てて、またぼーっとします。
「今日もあなたを思ってるよ」と
心の中でつぶやくのが、私なりのけじめというか、自分への確認みたいなもの。
もういないって分かってはいるけど、それでもちゃんと「そばにいる気がする」から。
はじめは、受け入れられなかった
息子がお空に旅立ってからしばらくは、こんなこと絶対にできなかったのです。
火をつけることすら、「いなくなったことを認めるみたい」で心が締め付けられるからです。
だから何もせず、ただ日々がすぎていくのを感じているだけでした―――
が、ある日。
ふと、火をつけて、お線香を焚いてみたのです。
深い意味があったわけではなく、ただ、なんとなく。
そしたら、思ったより心が落ち着いていくのを感じて
「これでいいのかも」と思えるようになりました。
それからは、毎朝の習慣となり、やらずにはいられなくなりました。
火を見つめる安心感―――太古から続く心の記憶
お線香の火、キャンドルの灯り。
その小さな火を見るとなんだかホッとするのって、人類みんなに存在する感覚かもしれません。
―――人類が初めて火を手にしたのは、数十万年前。
闇を照らし、寒さをしのぎ、仲間と身を寄せ合い、火を囲むことで
私たちは「生きること」と「安心すること」を学びました。
火を見つめると落ち着くのは、DNAに刻まれた生存の記憶なのかもしれません。
火を灯すたびに私とあの子との、命のつながりが感じられる―――
そんなような気がしてならないのです。

小さな音が心を穏やかに
私のお気に入りのキャンドルは、火を灯すと
パチパチと小さな音を立てます。
小さな焚き火みたいなその音が、なんとも言えず落ち着くのです。
静かな朝に、その音だけが響いていると癒やされるんですよね。
静かな夜にも絶賛オススメ。
5分でも10分でもいいから揺れる火をボーッと眺めるだけ。最強の癒やしアイテムです。
香りだって妥協しない
お線香も、甘い香りのものを使っています。
最近のお気に入りは「サクマドロップ」
懐かしくてやさしい甘さで、朝の空気がふわっと和らぎます。
こんなのもありますよ。
子ども向けのお線香は香りや見た目に親しみやすさを持たせた商品が多く
使いやすい形状や可愛らしいパッケージも工夫されています。
もう、全部欲しい!!
香りって心にダイレクトに届くから、毎日続ける儀式には欠かせないものです。
おわりに
毎朝のこの時間が、日々忙しい中で唯一息子と対話する、大切な時間になりました。
特別なことをしているわけではないけど、火をつけて、お線香を焚く。
残念ながら、その次の”手を合わせる”ことは、まだ出来るようになっていません。
でも、大丈夫、焦らないで、少しずつで大丈夫だと自分に言い聞かせて。
目には見えないけど、ちゃんとつながっている―――
そんな風に思えるようになったのは、こうして毎日向き合うようになったからかもしれません。
今日もおはよう。一日が始まるよ。
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