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【頼っていいんです】限界ママを支える育児支援制度〜頼れるサポート一覧〜
シリーズです。小児科で働く看護師としての知識と経験をもとに、育児支援制度についてできる限りわかりやすくまとめたものです。詳細はお住まいの自治体や実施団体にご確認ください。
はじめに
出産って、感動のゴールじゃなくて長い長い育児のスタート。
産後の疲労が辛くても
上の子が泣き叫んでいても
もう頑張れないと嘆いても…
残酷にも毎日はどんどこやってくる、それが現実。

たーすーけーてーだーれーかーーー
すぐそこに、限界ラインが見えているママにこそ届けたい。
それが今回のテーマ、産後ヘルパー制度です。
産後ヘルパーってどんな人?何をしてくれる?
一言で言えば、家事や育児の”今すぐ助けてほしい”をサポートしてくれる人。
自宅に来てくれて、赤ちゃんのお世話・ごはんの準備・洗濯や掃除など
日々の暮らしを支えてくれます。
ちなみに、ヘルパーさんは基本的に女性の方が多いです。
授乳や沐浴など、ママの身体や赤ちゃんに関わるデリケートなケアがあるため
多くに自治体や事業者では「女性スタッフ」を前提としています。

気になる方は、申請する時に「女性希望」と伝えておくと安心ですよ
「訪問型産後ケア」とは違うのか?
話が少し逸れたので戻しますが
「産後ヘルパー制度」と「訪問型産後ケア」とは、別物です!
少し整理してみると
産後ヘルパー制度 | 訪問型産後ケア | |
来てくれる人 | 家事・育児支援スタッフ | 助産師 |
内容 | 掃除、洗濯、沐浴補助、食事づくりなど | 授乳指導、乳房ケア、母体の健康チェックなど |
特徴 | 実務・生活サポート | 医療・専門的 |

どちらもママの味方ですが
何を手伝ってほしいかで選ぶのがポイントです
こんなふうにお願いできる!
ヘルパーさんは”プロ”ですが、超人ではありません。
時間内に何をお願いしたいか、ざっくりメモしておくと
お互いにスムーズです。
例えば…
- 赤ちゃんの沐浴サポート・オムツ替え・授乳補助
- 洗濯物をたたむ・干す・しまう
- ごはんの下ごしらえ・簡単な作り置き
- 掃除機かけやトイレ掃除
- 上の子の遊び相手や送迎
- ママが10分だけでもシャワーを浴びる時間づくり
頼む=甘えじゃない

”今日を乗り切るための知恵”だと思ってオッケー。
実際に頼んでみたら…心がほぐれた話
産後ヘルパーさんではありませんが
私もかつてある種のヘルパー制度を利用したことがあります。
赤の他人を家にいれるので
それはそれは、葛藤しましたよ(笑)💦

こ、こんな散らかった汚い家に人を呼ぶなんて…
来てくれたのは年配の女性。
ちょうど母世代の女性で、こちらでメモしておいた「お願いリスト」に
時間内で全て応えてくれました。
かゆいところに手が届くというか
「助けてくれる人がいるんだ…」って思えた瞬間。
一人じゃないんだって思えて
泣きそうになりました。
女性ならではの気配りに救われた
私の場合、主に身体が不自由な子どものお風呂を一人で入れるのを
手伝ってもらっていました。
お風呂の前に洋服を脱がして連れてきてもらい
終わったらキャッチしてもらって
パジャマを着せてもらい水分を飲ませてもらう
その間、私はお風呂にしっかり入らせてもらって
少し湯船につかることも出来るようになりました。
最初から、お願いしたいことが入浴のお手伝いだったので
そりゃもう、私は初日から素っ裸を見せましたが(笑)
年齢的に「お母さん」世代の方が多かったので
その点については全く抵抗を感じませんでした。
遠慮はいりません!”頼られるプロ”のたくましさ
最初は「これとこれだけで…」と遠慮がちにお願いした私に
「他にも何かありますか?遠慮しないでくださいね」
「まだ時間が余ってるので、これやりましょうか?」
と、山盛りになっている洗濯物を片っ端から畳んでくれました。
ほんと、泣きそうになった瞬間です💦
遠慮せずにお願いしたほうが逆に、いいみたいなんです。
ヘルパーさんはお仕事で来てくれているのだから
むしろ、ちゃんとお仕事をお願いする方が失礼でないということ。
ヘルパーさんたちは
“ママを支えるために”きてくれたプロフェッショナル。
遠慮しすぎるよりも
「今ちょっと手伝ってほしいこと」を素直に伝えるほうが
お互いに気持ちよく過ごせるのだと実感しました。


私が住んでいる自治体を例に
対応してもらえるサービスをご紹介しましょう
基本サービス内容
●家事支援
- 掃除、洗濯
- 食事の準備(買い物を含む)
- その他、日常生活に必要な家事の一部
●育児支援
- 赤ちゃんの見守り・おむつ交換・授乳介助
- ママがシャワーを浴びる間などの一時的な見守り
- 沐浴介助など
対象外の内容(よくある注意点)
- 上の子の送迎や長時間の託児
- 医療行為(軟膏を塗るなど)や専門家でないと出来ない育児支援
- 家事以外の食事(同居親族以外の洗濯物など)
利用時間・自己負担額(2025年4月1日時点)
1回あたり2時間まで。
1歳になるまでの乳児で最大20回、多胎の場合は最大30回利用可能です。
世帯区分 | 生活保護世帯 | 住民税非課税世帯 | その他の世帯 |
自己負担額 | 無料 | 900円 | 1,800円 |
利用の流れ
- 窓口または郵送で相談、事前申請
- 申請書、世帯調書など
(非課税世帯は課税証明書、生活保護世帯は受給者証など) - 利用の承認に1〜2週間かかる
- 承認が出たら指定事業者と日程を調整
- 当日、ヘルパーさんが自宅へ訪問してサポートスタート!

利用条件や金額、申請方法は地域によって違うので
「産後ヘルパー,自治体名」で検索してみてくださいね!
※妊娠中から申請できる地域もあるようなので、プレママは情報収集してみてね。
産後にムリをすると後からこんな影響が…
1. 慢性的な腰痛・肩こり・腱鞘炎
→ 授乳や抱っこで無理な姿勢が続いたまま休まず動き続けると、筋肉や関節に負担が蓄積。
数年後も「ずっと腰が重い」「腕が痛くて子どもを抱けない」など、生活に支障が。
2. 骨盤のゆがみ・尿もれ・下腹ぽっこり
→ 骨盤が開いたまま動き回ると、戻りきらずに歪んだ状態で固まってしまうことも。
数ヶ月〜数年後に尿もれや姿勢の崩れ、慢性的な不調につながることがあります。
3. 産後うつや燃え尽き(ママ・バーンアウト)
→ 心の休む時間がないまま「しなきゃ」で突っ走りすぎると、
ある日突然「何もできない」「涙が止まらない」「笑えない」と気づくことに。
数ヶ月〜1年以内に出るケースも多いです。
4. ホルモンバランスの乱れからくる不調
→ 睡眠不足・栄養不足・過労が重なると、自律神経やホルモンバランスが乱れ、PMS悪化、情緒不安定、月経異常、肌荒れなどのトラブルが続くこともあります。


自分が思う以上に、自分の身体を大切に思ってあげてね
今はあんまりピンとこないかもだけど…
年取ってからガタがきちゃうかもだから
まとめ:頼ることは、ちゃんと向き合うこと
産後は、ママにとって「がんばる毎日」の連続です。
だからこそ、立ち止まって
「いま、誰かに手を借りてもいいかも」と思えることが大切。
ただでさえ、出産という偉業を成し遂げたのだから
それだけでもう、もっともっとママが大切にされていいのです。
ヘルパー制度は、そんなママの”いま”を支えてくれる心強い選択肢。
無理せず、タイミングを見て、あなたらしく頼ってみてくださいね。

まずは自治体に問い合わせてみることから!
知っておいて、利用してみて、損はないと思います。
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