仕事柄、悩めるママのお話を聞くことが多いよつは*です。
今日は、10年前に私が傷ついた言葉で
10年経った今でもこの言葉で傷つくママがいる、変わらないこの現実に
私の感じることを書きたいと思います。
※ここで書く話は、あくまで疾患がない赤ちゃんを前提に書きますので
体重が増えなくても楽観視していいというわけではないことをご了承ください。
今でも思い出せるトラウマ級な一言
“体重増加不良”…この言葉でどれだけのお母さん達が傷ついてきたんだろうか。
十数年前、私もそのうちの一人でした。
長女は予定日を超えてから生まれた子で
体重は2345グラムと少し小さめの赤ちゃんでしたが
幸い母乳をよく飲んでくれたので
4ヶ月健診で7400グラムとムッチムチのドスコイ赤ちゃんに急成長!
…したのですが、5ヶ月から開始した離乳食は全く食べてくれず母乳ばかり。
8ヶ月健診のときは7870グラムと400グラム程しか増えておらず
健診用紙の体重増加の欄、「不良」にマルがついていました。
その後ろに「4ヶ月以降、増加なし」ともオマケが書かれていました。
幸い、他の身体所見に異常がなかったので、単純に、いわゆる「体重増加不良」
第一子でしたから、それはそれはひどく落ち込んで
クソ真面目な私はあれやこれやと試行錯誤した記憶があります。
けどね、うちのお姉さん、マジでおっぱい星人だったんです。
1歳になってもろくにゴハンを食べてくれず
暇さえあればおっぱいチューチュー、1日10回は飲んでたんじゃないかな(笑)

食べないものは食べないんじゃい!!!
その頃は仕事をしていなかったので、毎日のおっぱいライフにお付き合いしていました。
第二子を考えた頃から少しずつ離乳を計画し、すっと辞められたのは1歳4ヶ月頃だっけか。
母乳をやめてからはゴハンを少しずつ食べ始めたのか、あまり覚えていませんが
1歳半健診では9040グラムと再び増え、そこからは成長曲線の真ん中下くらいを推移しました。

子どもと二人きりの日々、ゆったりした時間が流れる毎日
母子手帳の成長曲線とにらめっこ
「私にできることってなに?」
そんなことを毎日悶々と考える日々でした。
あくまで医学的な指標の話なのに
この言葉、あくまで医療者の中での指標というか分類だと思うんです。
体重が増えない現状に、隠れた疾患がないかを探す必要があるからです。
授乳・栄養量が不足していないか、消化・吸収に問題がないかなど
総合的に診るのが健診で、体重はあくまで指標の一つ。これが全てではないということ。
でも、その言葉によってママが傷つく多いこと多いこと。
だってパンチあるもんね、「不良」って言葉…グサッとくる。
「育て方が悪かったのか」「私の努力が足りなかったんだ」
第二子、第三子と、子育てに慣れたママなら軽く流せる方がいるかもしれませんが
大抵はこんな風に自責の念を感じたり、自信喪失するママが少なくないです。
増えない理由だって色々ある
“十人十色”という言葉があるように赤ちゃんだって個性が色々!
育児書に書いてあるような理想の育児、誰が出来るんでしょうか?
私も第一子のときは育児書片手に、ごはんを食べてくれない娘にほんと悩ませられました。
ごはんが大好きな赤ちゃんもいれば、おっぱい大好きな子もいる。
ちょっとした体質や性格の違い、はたまたスリムかムッチリかで運動量も変わる。
だから、「体重増加不良」という言葉で全ての赤ちゃんを括ろうとせず、もっと柔らかい表現で
ママにワンクッション置いた言葉が届くように、こんなのはいかがでしょう?
- スロースタータータイプ
- おっとりペースの赤ちゃん
- スリムベビー、元気に進行中
- マイペース全開!タイプ
- じっくり、ちょっと寄り道型
- ゆったり成長タイプ

まぁ、こんなのが健診用紙に書かれることはまずありませんが(笑)
「今は体重が落ち着いている時期かもしれませんね」とか
「また3ヶ月後に測ってみましょう」とか「成長の個性が出てきていますね」とか
そんな風にママの心配を煽らないような声のかけ方を、私も日々心がけていきたいものです。
がんばってがんばって、もうどうしようもない時は
かかりつけの小児科に相談してみるのが一番だと思います。
「あれもやった」「これもやった」「もーう頑張れない!」
思いの丈をぶちまけて、身体的に異常がないかチェックしてもらいましょう。
異常があればそこから先は先生にお任せ、異常がないならゆっくり見守るしかない。
そして、小児科の先生に今後も一緒に見守ってもらうのが安心だと思います。
ママがいつでも医療につながれる体制が出来ていれば、きっと大丈夫です。

今しかない赤ちゃん育児を、少しでも楽しむことが出来ますように✨️
10年前の出来事が、今でも鮮明に思い出せるのは
それほどインパクトのある言葉で、ママ1年生のわたしが傷ついた出来事だったから。
しかしこの言葉がなくなることはないし、これからも重要な指標であることに変わりありません。
だからこそママに伝えたいです。
「ママを責めるつもりの言葉じゃないよ」「ママ十分がんばってるよ」って。

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